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【現在増刷中】
[A4サイズ 2種類セット 解説書付き]

特開 2012-127983
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[消えたメビウスの帯 ー老獪なるエッシャー]

メビウスの帯の輪
半回転、すなわち180°を1回ねじって、対辺を接合して得られる帯が、最初に発見された表と裏を分離できない曲面だった。この帯のトポロジー的特徴を定義したのが、アウグスタス・フェルナンド・メビウス(1790〜1868)である。「メビウスの帯」と呼ばれる。この帯を作った経験をもつ人は多いだろう。

[メビウスの帯I](※2)と題した作品に、作者であるマウリッツ・コルネリウス・エッシャー(1898〜1972)は以下の解説のようにもっともらしく嘘も述べているのだが、あなたはエッシャーのトリックに気づいただろうか。エッシャーは、作品を明確に2色に塗り分けることで唯一の面片と言いつつも、別の意図を伝えようとしている。
魚を指でなぞると「メビウスの帯」そのものではなく、帯状につながった表裏のある2周できる構造が見えてくるが、表裏のない「メビウスの帯」のもう1つの数学的な特徴である、中央にそって切り離すと1本の表裏のあるループになることを思い出す人もいるだろう。

----解説引用----
[メビウスの帯I] 1961.10 M.C.Escher
「環状の帯が、その循環する方向に沿って、全長にわたり切れ目を入れられている。切れ目で分けられた二つの部分は、画面上では少しばかり離して描かれているのでどの部分をとってもそれを二分する空隙がはっきりとあらわれている。このため、一見したところでは、この帯は切り離されている二つの環状の部分からできているようにも思われる。だが、明らかに、この帯をつくっているものは唯一の面片――3匹のたがいに尾部を噛み合う魚の形をもつ面片なのである。魚は2周したのち、やっと当初の出発点へと戻ってくる。(M.C.E)」
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メビウスの帯のねじれ
実際に紙で「メビウスの帯」(図解1)とエッシャーの[メビウスの帯I](※2)をつくってみよう。手はエッシャーの思考の検索装置である。それぞれ三角形状に折りたたんでから中央部で切り離して両者を比較してみると、メビウスの帯の形状は非対称だが、エッシャーの[メビウスの帯I]は、純粋な3回回転対称性をもっていることがわかる。この違いは、帯に与えられたねじれ数から生じている。このねじれ数の違いが、[メビウスの帯I]の数学性と関係するからである。「1回ねじれのメビウスの帯と同じトポロジー的特徴が生じるのは、どのようなときか?」という発想を得たエッシャーは、その解答を[メビウスの帯I]としてデモンストレーションしたのである。
観察を怠れば、タイトルどおり、1回ねじれの「メビウスの帯」に切れ込みを入れただけものだと思ってしまう。エッシャーの罠にはまったある数学者は、誤った推測も重なり、この作品のねじれは1回だと解説してしまったくらいである。

これはメビウスの帯ではない
[メビウスの帯I]は、3回ねじれのメビウスの帯である。1回ねじれのメビウスの帯を切り離した後の帯のねじれの数は4回である。[メビウスの帯I]を切り離すとリングになるのだろうか。そしてそれが何回ねじれに転ずるかは、再び実際に作って確かめるしかない。
「メビウスの帯」の1回ねじれが4回ねじれへと変形するメカニズムには、人の想像のおよばぬ領域での飛躍がある。それが、エッシャーを「メビウスの帯」に強くひきつけ、視覚的な、あるいは言葉のトリックを含めた数学性のすべてを[メビウスの帯I]に込めたのだろう。

このような彼の老獪さは、アート・アンド・サイエンスという概念すらなかった当時の状況のなかで、数学の証明よりも視覚的デモンストレーションをめざすという、彼流の擬態にある。それは時として、数学者、科学者に対する親愛の情というよりは、むしろ挑戦者のスタイルをとっているように見える。そして、エッシャーの計画的に階層化されたアイデアをさらに遡ることができる。
[これはメビウスの帯ではない]というネクスト・エッシャーによって、「結び目」1965の作品の右上に位置する結び目は、トポロジー的には[3次のメビウスの帯]つまり、[メビウスの帯I]と同じであることが解明される。ただし、2つは鏡像関係になっている。
エッシャー自らがまとめた最晩年の作品解説でも触れなかった数学的な発見は少なくない。トポロジー論文を発表するために学会という数学者同業者組合に属するよりも、版画という複製芸術の手段による他者との知的なコミュニケーションと美的基準というデフォルトの変更が自在にできる観察者(Me)の立場を選択したと思われる。

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